商売について考えた

榎戸材木店は、ただいま事務所大リフォームの真っ最中です。
リフォーム計画は、2月に代表を交代して一番初めに着手しました。
というのも…

・新木場に移ってきて40年、屋根始め建物のあちこちが相当痛んできている。

・色んな方々に遊びに来てもらえるような、遊びゴコロ溢れた会社にしていきたい、という想い。

・私たちが取り扱っている、低温乾燥の杉のフローリングやデッキ材のモデルルームとして、足を運んでいただいた方々にその空気や居心地を感じてもらいたい。

・新木場の観光名所を目指し、ひいては「木のまち」新木場を盛り上げていきたい。

リフォームの決断をした理由は色々あります。

しかし一番の理由は、

「自分(たち)が本当によいと心から感じられるものを、人に伝え勧めていきたい」

という信念からでした。

僕は今まで家を購入したことがありませんし、リフォーム経験ももちろんありません。
一人暮らししていたマンションは、鉄骨造でビニルクロスにクッションフロア。
さらにリフォーム前の事務所は、木造2×4ですが、内装はビニールのクッションフロアに貼りものの壁。

自分がお客さんなら、何を根拠に「これはいいものです。」と言っているのかと疑問に思うし、売る側が売りたいものを売りつけようとしていると感じてしまうし、なによりこれから長く使い続ける家や部屋の材料を、こんな人やお店から買いたくないです。

あるファーストフードチェーンの役員さんは、自社の食べ物は絶対に口にしないという話を聞いたことがあります。
真偽はわかりませんが、こんな話を耳にして、それでも喜んで購入する人は多くないと思います。
極端ですが、そんなカンジです。

色んな考え方がありますが、「売れているからいいもの」「売れるものがいいもの」という考え方は、僕には合いません。

榎戸材木店の社員は、僕を含め半数が20代です。
僕らの世代、特に首都圏の人たちは、木は高級感やぬくもりのある素材で、一点ものも多く、最近はデザイン性も高いものも多いことは知っていても、生まれて育つ中で、根本的な意味での「素材」としての木と密接な関係であったとは言いづらい。

なので、「メリット・デメリット」で判断し頭で納得することはできても、実体験を伴わないことには心を揺さぶる「感動」はないし、もちろんそれじゃ人の心を動かす情熱も生まれない。

そんな理由から、今回のリフォームを経て、もし僕自身が今取り扱っている素材に何も心を動かされず、違和感ばかりあるようなら、当然、会社の大きな方向転換を考える必要があります。

仮にそんな状態で推し進めていけば、行き着く先は「詐欺まがい」。
やればやるほど、自分の信念とはかけ離れてしまいます。

そんな考えなどもあって、今はワクワクとドキドキが入り混じっています。

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